仮想通貨について考えてみる。

ブログのアップロードがうまく行ったかどうかの確認をした際に、「仮想通貨」の広告が表示されました。最近は大手都市銀行が主体となって開発をしているみたいですが、私個人は完全に様子見モードです。

しかし、これからの資産運用を考える際、仮想通貨の話は避けて通れないと思うので、私なりの「仮想通貨の問題点」と「活用方法」について考えてみたいと思います。(なお、あくまでも私の私見ですので、中途半端な学術用語的なものが書いてあるかもしれませんが、その辺は「行間を読む」感じでお願いします。)

1.仮想通貨の位置づけ

通貨は「物々交換の仲介役」として生まれました。そのため、仲介役として「様々なものと物々交換が出来る物」であることが求められ、多くの人に需要があり、変化や消失がしにくく、加工が容易な金や銀などの貴金属が初期の通貨の主流となりました。

文明の発展と共に「社会における物々交換回数=流通量」も飛躍的に増加し、貴金属の貨幣だけでは重さなどの欠点から社会のニーズに十分対応できなくなりました。そこで作られたのが「兌換紙幣」です。(兌換紙幣とはその紙幣の発行主体が「発行額に対応する金もしくは銀を必要に応じて払い出す。」と保証した紙幣のことです。)

しかし、この兌換紙幣の制度(金本位制、銀本位制など)、発行主体が持っている金銀以上には発行できないという欠点があり、貿易等により「発行根拠となる金銀」が国外に流出すると、国内経済を円滑にするための通貨が確保困難になることもありました。(今のユーロ圏で生じてる経済問題は、実はこの問題が根底にあります。ユーロが金銀と同じように各国の経済の足かせになっているわけです。)

その問題を解消するため、「兌換紙幣」は「銀行券」となり、「固定相場制」「変動相場制」へと移行していく中で、「物々交換の仲介役」としての機能のみが擬似的に独立した存在となり、中央銀行に保証される形で流通しているのが現行の通貨ということになります。

つまり、現状においても通貨は「中央銀行が保証した仮想通貨」でしかないため、今流行の「仮想通貨」と本質的な部分では変わりません。(国家予算100兆円とか紙幣で動いてるわけじゃないですし、紙幣もヤギからみれば紙切れですから、、、ムシャムシャ)

そのため、今流行の「仮想通貨」の位置づけは「現行貨幣と大して変わらない。」ということになります。(いかにも新しいもののように見せてるのは実は円天詐欺と同じだと個人的には思ってます。)

2.仮想通貨だけが持つ特徴とは

ネットやテレビで、その利点は山ほど情報提供がされているため、その辺はバッサリ割愛した場合の仮想通貨の特徴は、

(1)基本が物々交換なので課税の対象になりにくい

(2)電子データのみの存在

(3)発行主体が中央銀行ではない

この3つになると思います。(まあ、専門家からみれば、噴飯ものかもしれませんが。)

(1)については、税法は法律なので、衆参両院の過半数の賛成があれば「仮想通貨には100%の財産税を課す。」法案を通し没収することも簡単に出来ます。(ネット保管なので隠すことは困難、また回収の手間もほぼかからず、美味しいのではないでしょうか。)とてもじゃないですがメリットとはいえません。

(2)については、これは先日私がおすし屋さんで味わった怒りが頭をよぎります。うちに6人ほどお客さんが来るということで、駅前の寿司チェーン店で12,000円分の寿司を注文し、「nanacoで払ってポイントゲットうま~~^^」と思いながら取りに行ったのですが、支払いの際「機械が壊れてます。」ということでnanacoで支払うことが出来ず、土日に銀行からお金を引き出すことになり時間外手数料を取られる羽目になりました。(私のnanacoポイントと時間外手数料を返してくれ~~!)

要は、「支払いの際、紙幣は読み取り機が体についているが、電子データは読み取り機が別途必要」ということです。(登山家とかがスマホ以外に紙の地図をもって歩く理由です。)また、電子データは情報媒体としては非常に脆弱(災害等にとても弱い)なため、○○機動隊のような社会にでもならない限り、非常時にはまったく使えません。

(3)については、特に最近銀行が開発中の仮想通貨に関して言えることですが、銀行は簡単に潰れます。北海道拓殖銀行は都市銀行でした。明治維新から今までに潰れた財閥の数は、山ほどあります。あの「東芝」ですら、いまや潰れる寸前です。そんな存在が発行する仮想通貨の価値は、北朝鮮の通貨より怪しい感じがします。そうなると、昔の兌換銀行券のように「銀行が保有する円貨による保証」などを行わざるを得ないため、「だったら最初から円貨決済でいいじゃないか。」という落ちになります。

散々ネガティブなことだけ書いていますが、ポジティブなことは色々なサイトで書かれているのでそっちをみてください。

3.仮想通貨の評価

上記内容を踏まえたうえで、仮想通貨の評価をすると、、、

「既に現行の貨幣自体が仮想通貨の一種なので、流通を目的として改めて中央銀行より信用の低い発行体の仮想通貨は必要がない。」(黒田さんにヘリマネしてもらうだけで十分w)

「仮想通貨には資産性がまったくないため、非常時の備え等には全然向かない。」

「電子データはタンスの奥に隠すことは出来ないので、隠し財産には向かない。」

といったところになります。

4.仮想通貨の活用方法

散々酷評してきましたが、そんな仮想通貨にも活用方法があります。「FXの対象通貨」としての活用法です。一般的に信用度の低い国の通貨は利率も高く乱高下しやすいため「FXの対象通貨」としては非常に魅力的といえます。そういう意味では、仮想通貨は申し分のない通貨と言えるでしょう。

また、人類が進化して○○機動隊のような社会になれば、あるいは、、、

思ったより長くなってしまいましたが、今日はこの辺で。