「NISA」と「つみたてNISA」、選ぶならどっち?

私は宝くじは買うものの、自分で番号をチェックすることがないので、私にとっては今日がハロウィンジャンボの抽選日でした。まあ、、、全滅で、、、夢って儚いですね(苦笑)

今年の宝くじの通算損益は、中古車が買えちゃうぐらいレベルの「大損失」になってきてるので、年末ジャンボは見送ろうかなと気弱になっています。(どこかの地方公共団体が中古車を買うために寄付をしたとでも思うしかないでしょうOrz)

そんな年末と言えば、ちょっと強引かもしれませんが「NISA」です。なぜかと言うと、「つみたてNISA」なるものが、来年から導入されるのですが、年末までに手続きと準備をしておかないと、場合によっては利用できなくなるからです。

NISAの制度は、暦年(1月1日~12月31日)単位で金融機関の変更が出来ますが、一度利用してしまうとその年中は変更できません。

これは「つみたてNISA」と「NISA」の関係にも影響があり、一度「NISA」を利用してしまうと、その年中は「つみたてNISA」を利用することは出来ません。

「年が変わってすぐにNISAを利用なんてしないから、問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、実は気づかないうちに「NISAの自動更新」が行われることがあります。

それはNISA口座で「再投資型」の投信を持っている場合に発生します。「再投資型」とは、その名前のとおり分配金で同じ投信を追加で購入するタイプのことです。この追加の購入が「NISA口座を利用した。」と判断され「NISA口座の自動更新」が行われてしまうわけです。

ちなみに、NISAの口座の変更手続きには一定の時間が必要であるため、手続き完了前に「再投資」が行われると、変更手続きが無効になります。(毎月分配型で15日とかだと、ほぼ確実に間に合いません。)

もし「NISA口座を利用する金融機関の変更」や「つみたてNISAの利用」を検討しているのであれば、「年末までに移行の手続きを完了させておく。」または「既存のNISA口座にある再投資型投信の全てを処分する。」などの事前準備をしておく必要があります。

ということで、事前準備をするかどうか考えるうえでも、「NISA」と「つみたてNISA」の違いについて把握をし一定の判断をする必要があるのですが、正直難しいような気がします。

そこで私なりにまとめたものを作ってみましたので、ひとつの判断材料にしてみてください。

<「NISA」と「つみたてNISA」の違い>

1:運用益非課税期間は「NISAは5年」「つみたてNISAは20年」

ただ、「つみたてNISA」の制度が20年で設定されていることから、元となる「NISA」の制度も5年で繰り返す形で続くのではないかと思われます。

2:上限金額は「NISAは120万円」「つみたてNISAは40万円」

運用期間を考慮した上限金額は「NISAは600万円」「つみたてNISAは800万円」となります。

3:利用可能な金融商品「NISAは多種多様」「つみたてNISAは限られた再投資型投信のみ」

これは結構要素としては大きいと考えられます。そもそも、「つみたてNISA」は金融知識をもってない人が「貯蓄の代わりに運用をする。」ために作られた制度です。そのため、「失敗する可能性が少なく、金融機関の鴨になりにくい投資信託(安定性や低コストなど様々な要素が国によって審査されています。)」のみを選択肢にすることにより「初心者が投資というものに触れる」のに適した内容となっています。

<「つみたてNISA」のメリット>

1:ドルコスト平均法の効果を受けやすい

これは同じ銘柄を買い続けるのが前提となりますが、期間が長くなれば長くなるほどドルコスト平均法の恩恵は受けやすくなります。(月3万、ボーナス時に2万の計40万といった感じになるでしょうか。)

2.選びやすい

「国を信じることができるかどうか」という根本的な疑問はありますが、「つみたてNISA」を利用できる投資信託は国のお墨付きがある投資信託です。どれを選んでも間違いがない(?)ため、あとは自分の好みに合わせて取捨選択をすればいいので、銘柄選択は非常に楽になります。

<「つみたてNISA」のデメリット>

1:年間の上限金額が少ない

年間の上限金額が40万円と少ないということは、節税効果も少なくなる可能性が高くなります。日々の値動きを度外視し、年間運用利益を2%とした場合の1年あたりの節税額は、、、

NISA:120万×0.02×20.315%=4,875

つみたてNISA:40万×0.02×20.315%=1,625

と、シンプルに3倍の差があります。「20年の長期運用だからもっとメリットがあるはず。」と考えてる人には、「1.02の20乗=約1.5」なので「20万×20.315%÷20=2,031」ということをお伝えしておきます。(ちなみに「20年先にもっと値段が上がってるはず。」という考えはあるかもしれませんが、20年後に投資信託の基準価格が爆上げしてるということは、儲かってるというより「貨幣の価値が下がってる。」可能性が高いため意味がありません。)

「NISAは5年でリセットになる。」という話はありますが、更新となっても5年後にまた120万を非課税で運用できるわけですから、20年間で運用できる総額は2,400万円になります。(租税特別措置法は更新を繰り返すので「つみたてNISA」の有効期限を考えると同じく20年間更新されつづける可能性は高いと思われます。)

2:運用の選択肢が少ない

「初心者でも安心して利用できる投資信託」が選ばれているということは、初心者でない人には選択肢が狭まっているというデメリットしかありません。また、選べる銘柄は「経済連動型」と言うべきものばかりなので、「一発当てる」的なことが出来ません。これも人によっては不満に感じるのではないでしょうか。

<私なりの結論>

租税特別措置法は、ガソリンの軽減税率のように政治色の強い法律です。「NISA」や「つみたてNISA」の制度の意図が「貯蓄から投資へ」という社会保障制度の補完的位置づけである以上、長期に渡って制度が維持される可能性は高いものと思われます。

そのことを考えた時、「長期に渡って同じ銘柄で運用する。」よりも「定期的にリバランスを行う。」ほうが効果的であることはファンドラップの例からも明らかです。その意味で「NISA」の5年ごとのリセットは、リバランスを考えるいいタイミングとなりえます。

一方で、「つみたてNISA」で指定されている投資信託は、いずれも「国がお墨付きを与えた(つまり、専門家中の専門家が熟慮を重ねて初心者が食い物にされないと判断した)投資信託」です。「初心者が食い物にされない」ということは「金融機関にとって儲けにならない」ということであり、当然金融機関の販売員の売り込みのラインナップからは除外されますが、だからこそ投資をする側にとっては投資対象にふさわしい金融商品といえます。

これらの事から導かれる結論は、、、

「NISAで、つみたてNISAの対象となっている投資信託を買う。」

です。

ちなみに、私が持っている投資信託のうち「eMAXIS新興国株式インデックス」は「つみたてNISA」の対象投資信託です。(以前の投稿で触れたNISA口座で保有している投資信託です。)

以上が私なりの結論ですが、個々人のおかれた状況によりベストソリューションは当然異なります。投資について考える際には「あくまでも投資は自己責任」という言葉を忘れないようにすることをオススメします。