日経平均が上がっている中、私の持ち株は上がるどころか下がっているため、某東大卒のトレーダーのセミナーの広告に目が行く今日この頃ですが、既に株を選定して買っちゃってる状態なので今更意味が無いと自前突込みをして自己完結しています。(損切りをして仕切りなおそうとするほどの胆力はないので、上がるのをひたすら待つ感じです。)
そんな金融的才能のない私のような人間にとっての強い味方となりえそうなのが、「ロボ・アドバイザー」ではないでしょうか。そこで今日は、「FPジャーナル2016年8月号」に載っている「米国版FPジャーナル2016年5月号サマリー」について感想を書いてみたいと思います。(「そこで」というのは続きを読めば分かっていただけると思います(笑)。)
この「米国版FPジャーナル2016年5月号サマリー」その名前のとおり、アメリカで発行されているFPジャーナルの内容のうち有益なものを抜粋・翻訳したものです。内容としては、、、
(1)ロボ・アドバイザー:ウエルス・マネジメントを変貌させるテクノロジー
(2)新たな受託者責任(信認義務)の時代
の二つです。
<「(1)ロボ・アドバイザー」のピックアップ>
ロボ・アドバイザーには大きく3つの分類がある点が興味深いと感じさせられました。その分類とは、、、
1:ロボ・リバランサー
これはファンドラップでおなじみのリバランスを自動で行うことなので、欲に左右されないロボットのメリットが最大限生かせる分野だと思います。
2:ロボ・スペシャリスト
「特定分野に的を絞った一定レベルの投資機能を果たすサブ・アドバイザー」と書かれていますが、某都知事の言葉のように抽象的過ぎて、コレを読んで分かる人は多分いないのではないでしょうか?同じ文章の中に「節税効果を追及するもの」という文言が書かれているため、「顧客の要望に応じて有益な情報を自動的にピックアップして提供する補佐役」と言ったところではないでしょうか。(機能を果たす=情報を提供する、と私は解釈しました。)
3:ウエルス・マネジメント・ハイブリッド
この文章の著者が一番重視してるロボ・アドバイザーの分野です。(1と2は3~4行、3は40行オーバーで、差は歴然です。)簡単にまとめると「人間(アドバイザー)の指示に従って作業をするアシスタントとしてのロボット」と言うことです。引っ張った割りにベタな内容ですが、理論的な話の場合、こういうことはよくあります。ちなみに、著者はコレを如何に活用するかがFPにとって重要であるという見解を持っています。
の3つです。また、「アドバイザーにとっては人工知能よりソーシャルメディアのほうが脅威である。」というのには共感しました。
<「(2)新たな受託者責任(信認義務)の時代」のピックアップ>
アメリカの法改正後の規制強化による投資アドバイスのあり方について書いてあります。規制強化の内容は「企業年金制度に対する受託者の範囲の拡大」です。
規制強化の内容をぶった切ると、「企業年金の投資助言に当たり、証券の外務員、ブローカー、ディーラーなども、顧客の利益を最優先しないといけない。」ということです。(だからFPは更にその上のサービスを提供しないといけない、、、という本文の内容です。)
そもそも、そんなことを法律で規制しないといけないというのは、倫理的にどうなのよ、、、と思うのは私が甘い人間だからでしょうか?
「米国版FPジャーナル2016年5月号抜粋」の全体を通して感じたこととしては、アメリカと日本でのFPのあり方の違いでした。
日本のFP:「家計のアドバイザー」(いるとより良い生活が出来る。)
アメリカのFP:「家計のボディーガード」(いないと何もかも毟り取られる。)
と言ったところでしょうか。
AFPやCFPの研修では「コンプライアンス(法令順守)」や「顧客利益の優先」が非常に重要なものとして扱われています。これは、FPの概念がアメリカから生まれてきたものだからかもしれません。(無法者やいざと言う時に守ってくれない人をボディーガードに雇う人はいませんからね。)
日米首脳会談のニュースを見ながら、SPとFP、同じ心構えが求められてるのだなと思いました。