11月1日、それは税理士事務所向けの年末調整説明会の日(まあ、税理士会の綱紀監察からの税理士事務所職員への訓示がメインじゃないかと私は思ってたりはしますが。)
動画をみて、税務署と市役所の担当者の話を聞き、質疑応答をして終わりという流れなのですが、動画で必ず触れられるのが「サラリーマンなどの給与所得者は年末調整によって年税額が確定する、」という文言です。
これは分かりやすく言うと、「年末調整をしたサラリーマンは確定申告しなくていい。」という話なのですが、この理由は意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
サラリーマンの所得税の計算は、大雑把に言うと、、、
(A)「(収入 - 給与所得控除 - 人的控除 - 物的控除)× 累進税率」で計算されます。
それに対して、毎月給与から天引きされている税額をざっくばらんに書くと、、、
(B)「{(月収 - 天引きされた社会保険料)×12-38万×扶養親族の数}×累進税率÷12」で計算されます。
つまり、「家族に大学生がいたり(38万が63万に)」「障害者や老人がいたり(追加の人的控除)」「生命保険の支払いがあったり(物的控除)」についてはまったく考慮されず、基本的に多めに取られています。
年末調整ではサラリーマンから提出された書類に基づき(A)で再度計算しなおし、差額調整を行います。よって、資料提出が十分でないと(B)に近い多めの税額を収めることになります。
税金を多めに納めることについては当然罰則はないため、給与所得以外の所得が20万円以上無い限りは、年末調整をした段階で「納めるべき税金より多くの税金を払ってくれている。」ことになるため、「年末調整をしたサラリーマンは確定申告しなくても良い。」ということになります。(医療費控除のネタは多くの人がご存知だと思うので省略します。)
まあ、「最初から少なめに与える。」のと「多めに与えて、そこから取り上げる。」のでは、ヘイト値が異なるので、このやり方は何ともうまいやり方だと思います。
よって、提出すべき書類をきちんと提出すればするほど、税額の適性化が図られるため、返ってくる税額も増える可能性が高くなります。(ちなみに、提出しないことで税額を減らすことは出来ません。足りない分は後から税務署が取り立てに来ます。)
「適正な納税額=最小限の納税額」なので、年末調整の書類はしっかり提出するようにしましょう。
※「書くところが多すぎて面倒。」「どこをどう書けばいいかわからない。」は提出しない人からよく聞く台詞なので、今後の投稿で「年末調整の書きどころ」について書いてみたいと思っています。